
護身術とは何か?
6月25日
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現代社会では、自分の身を守る力がますます重要になっています。では、「護身術」とは一体どのようなものでしょうか?「護身術を学ぶ」ことは、ただ「戦い方を学ぶ」ことではありません。護身術とは、危険を察知し、避け、必要なときだけ行動するための知識とテクニックのことです。
護身術は「戦う力」だけでなく、「危険を回避する力」や「落ち着いて対応する力」など、日常生活 に役立つ力を身につけることでもあります。この記事では、護身術の本当の意味と、誰にとっても必要な理由をご紹介します。

護身術は戦うことだけではない
護身術はただ打撃の方法を知ることではありません。大切なのは「気づき」「予防」そして「正しい判断」から始まります。
護身術と聞くと、多くの人がパンチやキックといった「戦うテクニック」を思い浮かべるかもしれません。しかし、本当の護身術は「戦う前」に始まります。
効果的な護身は 、実際に体が動く前から始まります。具体的には、
危険が脅威になる前に気づくこと
できるだけリスクの高い状況を避けること
自分と相手の境界線をはっきり示すこと
主張のある姿勢やコミュニケーションを取ること
プレッシャーの中でも冷静さを保つこと
こうしたスキルは見落とされがちですが、実は最初の防御線なのです。実際のところ、最も優れた護身とは「 そもそも危険な状況に巻き込まれないこと」なのです。
法的・倫理的な観点からの護身術
日本の法律における正当防衛の考え方
日本の法律では、正当防衛として認められるためには以下のような条件があります:
危険が差し迫っている状況であること
防衛行為が必要最小限であること
相手が逃げた場合や攻撃をやめた場合、追撃しないこと
クラヴマガのトレーニングでは、こうしたルールを理解しながら、自分や周りの人を守るために適切に行動する力を身につけます。
護身術の法律面について詳しく知りたい方は、ブログ記事「日本の正当防衛と護身術:市民が守るべき法的境界線」をご覧ください。
意識力こそ最初の防御
気づきが身を守る第一歩
護身術の中でもっとも重要な要素のひとつが「状況認識(シチュエーショナル・アウェアネス)」です。
夜道で誰かに後をつけられていないか?
人混みの中で出口はどこにあるか?
誰かが不自然な動きをしていないか?
こうした小さな気づきが、危険な状況を回避する大きな手がかりになります。トレーニングを通じて、普段の生活でも自然と身の回りに注意を向けられるようになります。
自信とボディランゲージ
「狙われにくい人」になるための態度
護身術を学ぶことは、体を守ることだけが目的ではありません。自分の存在感そのものを変えることにもつながります。自信を持って歩き、相手の目を見て、落ち着いた強さを示す人は、狙われにくいのです。
犯罪者は、注意力がなく、気が散っていたり、自信がなさそうに見える「簡単な獲物」を探すことが多いと言われています。姿勢や声の使い方、そして心の強さを鍛えることで、あなたの印象は大きく変わり、「強さ」と「コントロール」を感じさせるようになります。
実際に、多くの生徒が「数週間トレーニングをしただけで、夜道や通勤中でも前より安心して歩けるようになった」と話してくれます。これこそが、身体的強さを超えた護身術の力なのです。
現実に即した実用的なテクニック
クラヴマガは、現実の脅威に対して身を守れるように、シンプルで覚えやすく、状況に合わせて応用できる動きを教えてくれます。
危険の回避や状況の沈静化がうまくいかない時には、身体を使った防御が必要になります。そこで登場するのがクラヴマガのようなシステムです。
クラヴマガはイスラエル国防軍のために開発されたもので、実際の状況に即した実用性を重視しています。スポーツではなく、生き残るための方法なのです。その技術は次のような特徴を持っています。
シンプルで覚えやすい
ストレス下でも効果的
体格や体力に関係なく誰でも実践できる
クラスでは、次のようなよくある攻撃への対処を学びます。
掴みやホールド
パンチやキック
ナイフによる脅しや攻撃
絞め技や地面での攻撃
また、日常の物を使った防御や、危険な状況から安全に抜け出す方法もトレーニングします。そして最も大切なのは、単なる技を覚えるだけでなく「原則」を学ぶことです。そうすることで、決まった動きを繰り返すのではなく、どんな状況にも対応できるようになるのです。

メンタルトレーニングとファイティングスピリット
恐怖に打ち勝ち、冷静に対応する力
実際の対峙では、感情が大きく揺れ動きます。恐怖やアドレナリン、ためらいによって行動が難しくなることもあります。だからこそ護身術には「心の準備」も含まれるのです。
定期的なトレーニングを続けることで、次のような力が身につきます。
恐怖をコントロールし、冷静さを保つ
素早く判断する
疲れていても、ストレス下でも動き続ける
どんな状況でもあきらめない
この「心の強さ」、 私たちがファイティングスピリットと呼ぶものこそが大きな違いを生みます。体の大きな相手に対しても、小柄な人が勝てるのは筋力ではなく、「決してあきらめない心」なのです。
護身術は誰にでも必要?
年齢・性別・経験に関係なく始められる
答えはシンプルです。――「誰でも」です。
夜に一人で帰る学生、家族を守りたい親、日常生活で安心感を持ちたい人――護身術は心の平和を保つための道具を与えてくれます。
私たちのクラスでは、こんな方々がトレーニングしています。
ティーンエイジャーから大人まで
女性も男性も
全くの初心者
実戦的なストリート防御を学びたい経験者の武道家
東京と横浜にある私たちのスクールでは、誰でも参加しやすい雰囲気で、一人ひとりのレベルや目標に合わせて指導しています。始めるのに特別な体力や筋力は必要ありません。必要なのは「一歩踏み出す勇気」だけです。
詳しくはブログ記事 「女性の護身術は本当に効果があるのか?クラヴマガが女性の自己防衛にどう役立つのか」 をご覧ください。
護身術とは「力を手に入れること」
護身術とは「恐れること」ではありません。自分と大切な人を守るためのテクニックと心構えを持っている――その安心感こそが大事なのです。
護身術とは「恐怖の中で生きること」ではありません。自分の人生をコントロールすることです。どんな状況が起きても、自分と大切な人を守る心構えと手段を持っている――その安心感が大切なのです。
護身術を学ぶことで、危険への気づきだけでなく、自信や日常生活への準備も整います。これは脅威に対してだけでなく、人生そのものに役立つ力です。
私たちのスクールに来る多くの人は、最初は不安を感じたり、自分に自信が持てなかったりします。しかし、トレーニングを重ねるうちに、胸を張って歩き、動きは力強くなり、声にも自信が宿っていきます。こうした変化こそが、護身術の本当の価値なのです。

追加の質問に答えます
Q. 正当防衛って、法律的にはどういうこと?
A. 日本では、今まさに不当な攻撃を受けている時に、自分や誰かを守るために行動することができます。大事なのは「必要性」と「やりすぎないこと」です。やりすぎてしまうと「過剰防衛」とみなされる場合があり、その場合は刑が軽くなることはあって も、完全に免れるわけではありません。もっと詳しく知りたい方は、ブログ記事 「日本の正当防衛と護身術」をご覧ください。
Q. 攻撃されるまで待たなきゃいけないの?先に動いていいのはいつ?
A. いいえ、最初の一撃を受ける必要はありません。危険が目の前で今にも起こりそうで、安全を守るために行動するしかない場合は、法律上認められています。ただし、その危険は現実的で差し迫ったものでなければなりません。将来的に「起こるかもしれない」程度ではダメです。また、逃げるなど他に安全な選択肢がある場合は、防衛として必要な行為とは見なされないこともあります。
Q. どこまでやったら「やりすぎ」になるの?過剰防衛って何?
A. 法律では「脅威の大きさに見合った対応」が求められます。たとえば、ただ押されただけなのに武器を使ったり、大きなケガを負わせたりすると「やりすぎ」と判断される可能性があります。あくまで目的は攻撃を止めることであって、相手を懲らしめることではありません。あなたが繰り出すあらゆる打撃は、正当化できるものでなければなりません。
Q. 正当防衛を使った直後はどうすればいい?
A. 差し迫った脅威が終わったら、まず自分がケガをしていないかを素早く確認してください。攻撃者はまだ危険なのか、周囲にほかの脅威がないかを自問しましょう。可能であれば安全な場所へ移動し、そのうえで警察(110)に通報してください。ケガをしている場合は速やかに医療機関を受診しましょう。警察に話すときは事実を簡潔に伝え、状況が深刻な場合は弁護士への相談も検討してください。
Q. 一番いい護身術ってどれ?
A. 「これが一番良い」という護身術は存在しません。最も大切なのは、現実的な護身術を教えてくれる信頼できる団体を選ぶこと、資格を持ったインストラクターがいること、そして実際の状況を想定したトレーニングが含まれていることです。良いクラスとは、道場の中で見栄えがするだけでなく、現実の場面に備えられる内容であるべきです。詳しくは当ブログ記事「東京の護身術クラス — 自分に合ったトレーニングの選び方」をご覧ください。
Q. スパーリングって本当に必要?
A. スパーリングをしたくない人は無理にやる必要はありません。ただし、スパーリング(軽い対人練習)はとても重要です。なぜなら、実際に抵抗する相手に対して技がどう働くのかを体感できるからです。また、ストレスやアドレナリン、不規則で協力しない相手にどう 対応するかを学ぶこともできます。スパーリングを通じて、タイミングや間合い、そして計画通りにいかない状況での適応力を身につけることができるのです。こうした経験がないと、いざというときに技が崩れてしまうことが多いんです。
Q. 体格や力は重要?それともテクニックだけで十分?
A. どちらも大事です。大きくて力の強い人は当然打撃も強くなりますが、テクニックや工夫次第で小柄な人でも十分に効果的に動けます。だからこそクラヴマガのトレーニングでは、力に頼らずシンプルで効率的な動きを重視しているんです。
Q. だいたい「身についた」と感じるまでどれくらいかかる?
A. 一般的に、護身術の基本的な技術はいくつかのセッションで身につけることができますが、上達のスピードは動作の調整力、新しい動きを学ぶ力、そして練習の頻度にも左右されます。週に1~2回の練習に加えて自宅でも少し取り組めば、すぐにしっかりとした基礎を築けるでし ょう。大切なのは継続性です。定期的に練習するほど技術は自然に身につきやすくなります。逆に長く休むとスキルは薄れてしまうので、短時間でも継続して練習することが最も効果的です。
Q. 女性向けの護身術って本当に効果あるの?
A. はい、正しく教えられればとても効果的です。声の使い方や境界線の示し方、そして実際の技を組み合わせたプログラムは大きな成果を出しています。多くの女性が自信を持って帰り、研究でもリスクを減らせることが示されています。詳しくはブログ記事 「女性の護身術は本当に効果があるのか?クラヴマガが女性の自己防衛にどう役立つのか」 をご覧ください。
Q. トレーニングって危なくない?ケガしちゃう?
A. きちんとしたスク ールなら安全に配慮しています。軽い打撲やアザくらいはあるかもしれませんが、しっかりと指導・管理されていれば大きなケガはほとんどありません。信頼できるジムでは、防具を必要に応じて使い、正しいウォームアップを行い、強度も段階的に調整してくれるので、初心者でも安心して学べます。
Q. なぜ護身術のトレーニングで打撃技術を学ぶ必要があるのですか?
A. 打撃は、現実的な護身術システムにおいて欠かせない要素です。パンチをブロックしたり、つかみから逃れたりして一時的に身を守れても、それだけでは攻撃者を止められるとは限りません。だからこそクラヴマガのトレーニングでは、攻撃者をひるませたり抑止したりするために、直ちに反撃を行うことを重視します。また、つかまれた場合でも、急所への正確な打撃によって相手の握りを緩め、逃げるチャンスを作ることができます。
Q. 手首関節技を使って攻撃者を制御することはできますか?
A. 激しい護身の場面では、攻撃的な相手の手首をつかむのは特にストレス下では簡単ではなく、相手が自分より強ければさらに難しくなります。だからといって手首関節技が無意味というわけではなく、相手が弱い場合の比較的リスクの低い状況や、打撃やレスリング・グラップリングの技と組み合わせれば有効に働くこともあります。しかし、護身術の主要な手段としては、それ単体では信頼できません。
準備はできましたか?
護身術は単なる技の習得ではありません。自信や危機意識を育て、自分や大切な人を守る力を身につけることです。読むだけで終わらせず、ぜひ体験してみましょう。東京・横浜で行われているクラヴマガ護身術レッスンに参加して、より安心で強い自分への第一歩を踏み出してください。